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ベーゼンドルファー Bosendorfer

◆ベーゼンドルファー動画  Bosendorfer×YouTube 

木の香り漂うあたたかい響きが特色のメーカー。墺ウィーンで製造。
響板に使用しているフィヒテ材をボディ、支柱にも採用、ピアノ全体を木箱として鳴らす設計です。キラキラと輝かしい高音のスタインウェイとは対照的にズーンと太く伸びやかに鳴り響く低音域が魅力。前者を金管楽器に例えるなら、こちらは木管楽器といった印象でしょうか。

弱点は大ホールで演奏する際のパワー不足。高音の落ち着いた響きが少し物足りないとの意見も。室内楽、サロン音楽との相性は抜群、一部のピアニストやオーディオ・マニアに好まれる老舗ブランドです。
*2008年よりヤマハの子会社化。現在も変わらず生産を継続。 

2013.2.10
若きバドゥラ=スコダが巨匠オイストラフと共演している動画です。
演奏のみならずピアノの円やかな音色もヴァイオリンをサポート。
古い録音でもハンマーフェルトの柔らかさがよく伝わってきます。
こんなベーゼンドルファーでモーツァルトを聴くと心が和みますね。
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ベーゼンドルファー動画を気ままに更新

■J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲BMV988(アンドラーシュ・シフ)

Andras Schiff (1953~ )
ハンガリー・ブダペスト生まれ、ちょいと辛口な理論派ピアニスト。
洗練された音楽表現と軽快なタッチが素晴らしいベーゼン弾きです。

シフのバッハにはエスプリを感じます。大胆かつ知的、楽器が歌っている様な躍動感がありますね。強弱、装飾、テンポの揺らし、各方面に工夫を凝らして、表情に富んだ愉快な演奏を聴かせてくれます。

内向的ですが、芯のある明るい音が彩りを添えています。東京オペラシティホールにあるベーゼンドルファー290インペリアルはシフ本人が選定。ベーゼン・ファンは要チェックです。
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<1982>Decca※旧盤      

ベーゼンドルファー×J.S..バッハ         Bosendorfer×J.S.Bach

Yukino Fujiwara(藤原由紀乃)/2008/spex
ゴルトベルク変奏曲(2枚組)
Friedrich Gulda(フリードリッヒ・グルダ)/1972/Decca
平均律クラヴィア曲集第1巻2枚組。
Anne Queffelec(アンヌ・ケフェレック)/1975/BMG
バッハ名演集。パルティータ第2番・第5番 半音階的幻想曲とフーガ。

■ベートーヴェン:〈熱情〉〈ワルトシュタイン〉〈テンペスト〉(ファジル・サイ)

Fazil Say (1970~ )
トルコ出身の異端ピアニスト。ドイツ留学中の94年に「ニューヨーク・ヤング・コンサート・アーティスト国際オーディション」に優勝して一躍注目を浴びる。自作曲やジャズも弾くコンポーザー・ピアニストです。

このCDでも問題児っぷりが発揮されています。とくに爆撃のような<熱情>第3楽章は聴きもの、もはやロックです。保守的な先生方は眉をひそめるでしょうが、割り切って聴くと案外痛快に楽しめるかも。他のソナタにおいても彼独特のエネルギッシュな熱演が光ります。

太くて深みある音を少しだけ硬質に整えたベーゼン。音の余韻、低音の響きに「らしさ」を感じます。(洋盤のCDには誤ってスタインウェイと記されています)実際に生で聴いてみようと足を運んだリサイタルではスタインウェイ使用。ジャズ風にアレンジしたモーツァルトのトルコ行進曲をアンコールで披露、場内に拍手喝采が飛び交いました。
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<2006>naive         

ベーゼンドルファー×ベートーヴェン      Bosendorfer×Beethoven

○ピアノソナタ<熱情>
Wilhelm Backhaus(ヴィルヘルム・バックハウス)/1959/Decca
ベーゼン×ベートーヴェンならやはりこの大御所。モノラル録音のため音質にやや難あり。
Lambert Orkis(ランバート・オルキス)/2005/Bridge
ベーゼン・インペリアル、1814年製、1830年製フォルテピアノの3台聴き比べCD。ピアノの変遷が分かる録音。
Carol Rosenberger(キャロル・ローゼンバーガー)/1997/Deros
〈熱情〉・ソナタ32番・コンチェルト・5重奏。ベートーヴェンとベーゼンの相性を確認したい方にお勧めの2枚組。

■シューベルト:ピアノソナタ第21番D960 他(キャロル・ローゼンバーガー)

Carol Rosenberger
アメリカで活動している女流ピアニスト。ベーゼンドルファー・インペリアルを使って50枚以上レコーディングしているとの情報です。

D960第一楽章はリピート無しの15分、全体的に味わい深く弾いている印象ですが、併録している即興曲2番(自分が小学生の頃に練習した思い出の曲)、3番の演奏に「シンギング・トーン(歌うような音色)」と評されるベーゼンとの相性の良さを感じます。そういえばシューベルトはウィーンの作曲家だったなぁ・・・と思い出させてくれる録音です。

まろやかで重心の低い音、純度の高い低音の響き。「木管楽器」的なベーゼンのサウンドを堪能できる一枚です。水をテーマにした楽曲を揃えた《WATER MUSIC OF INPRESSIONISTS》、〈熱情〉とOp.111をカップリングしたベートーヴェン・アルバムなどもファンにはお奨め。
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<1988>DEROS    

ベーゼンドルファー×シューベルト       Bosendorfer×Schubert

Aki Takahashi(高橋アキ)/2007/camerata
ピアノソナタ第13番・第21番。インペリアル使用。深く優しくあたたかいシンギング・トーン。

■ショパン:ピアノソナタ全集(ギャリック・オールソン)

Garrick Ohlsson (1948~ )
1970年第8回ショパン・コンクールの覇者。アメリカ人初の優勝者でもあります。ニューヨーク出身。195cmの長身、ドの音からオクターブ上のソまで届く巨大な手から繰り出される強靭なタッチは圧巻です。

「俺のソナタを聴け」と言わんばかりの男気溢れる豪快な演奏。かたや葬送行進曲における繊細な弱音も出色です。個人的にはインテンポでズンズン突き進む剛直なまでの推進力に心地よさを覚えます。

ベーゼンドルファー・インペリアル使用。水墨画を思わせる渋い陰影の録音です。どっしりとした低音の存在がまろやかな中音とコロコロした高音の響きを支えています。長らく入手困難だった音源ですがイギリスのレーベルHyperionからショパン・ピアノ作品全集が再発売。
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<1991>Arabesque                    

ベーゼンドルファー×ショパン             Bosendorfer×Chopin

Malcom Frager(マルコム・フレイジャー)/1991/Telarc
英雄ポロネーズ、アンダンテ・シュピアナートと華麗なるポロネーズ、タランテラ、ソナタ第3番、他。
Francois-Rene Duchable(フランソワ・ルネ・デュシャーブル)/1983/Apex
お得な2枚組。バラード第1番~第4番、幻想ポロネーズ等がベーゼン録音。前奏曲集はスタインウェイ使用。

■リスト:超絶技巧練習曲S.139 他 (アキレス・デッレ‐ヴィーニュ)

Aquiles Delle-Vigne
クラウディオ・アラウ、ジョルジュ・シフラに師事。アルゼンチン出身。バッハからピアソラまで幅広いレパートリーをもつピアニストです。教授、コンクールの審査員としても世界各地で活動しているとのこと。

師であるアラウとシフラの演奏を足して割ったような演奏。多少クセが強いものの技術的に苦しい場面は少なく自由闊達に弾いている印象。アパッショナータと呼ばれる第10番は挑発的で情熱的な演奏、どこかアルゼンチンタンゴを連想させる味のある表現が面白いです。

一体どうしたんだ!?とツッコミたいほどギャーンとメタリックに整音されたベーゼン。音量を増すために薬品でハンマーフェルトを硬く仕上げた可能性も・・・。もはやウィナー・トーンの面影はありません。弦を叩くハンマーの硬度によってピアノの音色が一変してしまう好例。
<1992>Arcobaleno     

リスト×ベーゼンドルファー          Liszt×Bosendorfer

■シューマン:謝肉祭Op.9 森の情景Op.82 他 (ゲルハルト・オピッツ)

Gerhard Oppitz (1953~ )
ドイツ・バイエルン出身。ヴィルヘルム・ケンプの薫陶を受けたドイツ・ピアニズムを継承する演奏家。1977年アルトゥール・ルビンシュタイン国際コンクール優勝。28歳の若さでミュンヘン音楽大学教授に就任。

頑固なゲルマン親父といった風貌さながら?過度にロマン的に走り過ぎない手堅い造りのシューマン演奏。《謝肉祭》でもアカデミックかつ温かみのある音楽を安定したテクニックでガッチリと構築しています。

オピッツがRCAレーベルに残した録音は主にベーゼン・インペリアルを使用。ハンマーフェルトの打弦点付近を少しだけ硬く処理して、輪郭のはっきりとした明るい音色に調整されています。オピッツ×ベーゼンの重厚なドイツ音楽にどっぷり浸りたい方には同じピアノで録音された『ブラームス ソロ・ピアノ全集』もオススメ。RCAより5枚組。
<1992>RCA         

ベーゼンドルファー×シューマン         Bosendorfer×Schumann

Natasa Veljkovic(ナタサ・ベリコビッチ)/2007/gramola
〈子供の情景〉〈謝肉祭〉等を収録。録音にはModell225を使用。

■ブラームス:ラスト・コンサートOp.117~Op.119(エディト・ピヒト=アクセンフェルト)

Edith Picht-Axenfeld (1914~2001)
ベヒシュタイン・コーナーにも登場したピヒト=アクセンフェルト女史は草津国際音楽祭の講師として毎年のように日本を訪れていました。
ここでは最後の来日となった1996年のライヴ録音をご紹介。

語りかけるようなニュアンスづけ、慈しむような深い音楽性が聴き手の心を捉えて離しません。遅いテンポで微妙な強弱を表現するのもまた高等技術と言えましょう。インテルメッツォはいずれも円熟の味わい。

ベーゼンドルファー・インペリアル使用。おそらく皆様のイメージに近いと思われるあたたかく豊かな音色。ブラームス晩年の寂寥感が優しい響きで奏でられます。ぜひグリモー盤とお聴き比べを。
興味ある方はこちらをクリック!(※8つの小品Op.76とのCD2枚組)
<1996>Camerata

■ベーゼンドルファー×ブラームス         Bosendorfer×Brahms

Gerhard Oppitz(ゲルハルト・オピッツ)//RCA
ブラームス・ソロピアノ全集。廃盤だった5枚組みが廉価版で復活!明るい音色のベーゼンドルファー。

■J.S.バッハ=ブゾーニ:シャコンヌ BWV1004 他 (A.B.ミケランジェリ) 

Aruturo Benedetti Michelangeli (1920~1995)
“完全主義者”“キャンセル魔”と様々なあだ名をもつ逸話の絶えない伝説的ピアニスト。1939年ジュネーヴ国際コンクール優勝、審査したコルトーが「新しいリストの誕生」と絶賛したのは有名なエピソード。

1955年ショパン・コンクール開催中のワルシャワでのライヴ盤。格調高い<シャコンヌ>、情熱的なブラームス<パガニーニ変奏曲>、気品が漂うシューマン・ピアノ協奏曲が収録されています。会場で聴いていた若きアシュケナージも感激したと云うように魂を揺さぶる演奏。

ポーランド放送によって提供された歴史的音源。他メーカーにはないベーゼンドルファー特有の低音弦(エクステンド・ベース)が使用される<シャコンヌ>のクライマックスは聴き逃せない箇所。スタインウェイを好んだミケランジェリがベーゼンを弾いている貴重な録音です。
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<1955>Altara

■ムソルグスキー:展覧会の絵 他 (アワダジン・プラット) Next・・・

Awadagin Pratt
<1999>EMI