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その他 欧米ピアノメーカー

◆海外メーカーいろいろ Other Piano Makers × YouTube

世界を見渡してみると、まだまだ個性派メーカーが存在します。
いくつか名を挙げるだけでも
Bluthner(ブリュートナー・独) Grotrian(グロトリアン・独)
Steingraber(スタイングレーバー・独) Sauter(ザウター・独)
Pleyel(プレイエル・仏)   Borgato(ボルガート・伊)
Stuart&Sons(スチュアート&サンズ・豪)
等々。そんな味わい深きピアノ&ピアニストの名演をPick up! 
 
2012.1.4
使用楽器:プレイエル Pleyel 
今回はフランスの名門ブランド・プレイエルで聴くブラームスです。
セドリック・ディベルギアンは1998年のロン=ティボー・コンクールで
優勝した経歴をもつフランス期待の星。今年も来日する予定です。
ポロポロと珠のような音色。響板材の響きからすると年数が経った
楽器かも。デリケートなタッチが独自の空気感を創り出しています。

演奏曲:Brahms Ballade Op.10 No.3 in B minor
過去のその他海外ピアノ動画はこちらから
 
Pleyel Grotorian Bluthner  他にもいろいろ… 海外メーカー動画を気ままに更新

■J.S.バッハ:ゴルトベルク変奏曲BMV988 (アレクサンダー・パレイ)

Alexander Paley (1956~ )
使用楽器:ブリュートナー Bluthner (ドイツ)
ドイツ・ライプツィヒで開催されるバッハ国際コンクール(かつてタチアナ・ニコライエワやヴァレリー・アファナシエフも優勝)の第7回優勝者。旧ソ連・現モルドバ共和国の出身。

CDは2枚組、演奏時間が長いです。(冒頭のアリアだけでも5分・・・)縦横無尽に変奏すると思えば、反復のアリアでは楽譜に記された装飾音を省略して演奏したりと、その独創的な解釈が聴きどころ。

コンサートグランドModell 1(280cm)を使用。あたたかい響きの中にも凛とした芯を感じる音です。ライプツィヒを拠点とするメーカーですが、同じドイツのスタインウェイ(ハンブルク)の重厚な音、ベヒシュタイン(ベルリン)の透明感ある音とは一線を画します。
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<2007>Bluthner records   

J.S.バッハ×その他 欧米ピアノメーカー  J.S.Bach×Other Piano Makers

■ベートーヴェン:ソナタ第7番・〈熱情〉・交響曲第1番(リスト編) (アール・ワイルド)

Earl Wild (1915~ )
使用楽器:ボルドウィン Baldwin (アメリカ)
オーソドックスな曲から編曲・自作曲・現代曲まで幅広く弾くアメリカ人ピアニスト。ピッツバーグ生まれ。エゴン・ペトリに師事、作曲家リストの系譜を汲む大御所です。6人の歴代大統領の前で演奏歴あり。

総じてスケール感と包容力のある大家然とした演奏。〈熱情〉の第3楽章では168小節~175小節にかけて突然スピードを上げて猛烈に弾くなど面白い箇所もあります。ピアノ版の交響曲第1番も持ち前のテクニックとセンスで、とても自然体に弾いている印象を受けます。

モノトーン調で丸みを帯びた音質。録音環境のためか、あまり響きに広がりはありません。アメリカではスタインウェイに次ぐメーカーですが音の性格は対照的。煌びやかに音が拡散するイメージのスタインウェイに比べて、ボルドウィンは内向きで朴訥とした音に感じます。
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<1999>IVORY                               

■シューベルト:ピアノソナタ第21番D960 他 (パウル・バドゥラ=スコダ)※DVD

Paul Badura-Skoda (1927~ )
使用楽器:メイソン&ハムリン Mason&Hamlin (アメリカ)
ベーゼン弾きの重鎮。オーストリア・ウィーン出身。エドウィン・フィッシャーに師事。楽譜校訂にも携わるなど学識ある演奏家です。フォルテピアノなどピリオド楽器による録音も多数あり。

ハイドン、ベートーヴェン、シューベルト、各作曲家が最後に残したピアノソナタを軸にしたプログラム。リサイタルや録音で取り上げているレパートリーだけに手馴れたもの。演奏中に時折みせる嬉々とした表情が印象的。玩具に夢中な子供のようで楽器への愛情を感じます。

リビルドされた1922年製メイソン&ハムリン使用。奥行き180cmクラスのグランドピアノによるリサイタルです。年月を経た楽器特有の乾いた響きとハンマーの柔らかい質感が味わい深い音楽を紡ぎます。
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<2009>KLEOS CLASSICS ライヴ録音       先に入手したCD盤ではシューベルトのソナタがなんと未収録。ジャケットには表記されているのですが・・・(泣)購入される方はご注意ください。

■ショパン:24の前奏曲Op.28 (イヴ・アンリ)※DVD

Yves Henry (1959~ )
使用楽器:プレイエル Pleyel (フランス)
1838年製&2004年製 
Fazioliコーナーでも登場したイヴ・アンリ先生の出番です。新旧2台のプレイエルによる弾き比べ、ボーナスとして工場における生産の様子、前奏曲4番、8番のレクチャーが合わせて収録されています。

きわめて自然な解釈、全24曲を通して聴いたときの構成が流石です。楽曲と楽器それぞれの素材の旨みを活かす京料理のようなショパン。来日ライヴでもその説得力ある演奏で観客を魅了しました。

「ショパンが愛したピアノ」として名高いメーカー。まさにショパンが生存していた1838年製プレイエルは独特の柔らかい響き。鋳鉄フレームが発明される以前の楽器設計のためピッチは低め、各曲の調性による色彩もガラリと変わるので現代ピアノを聴き慣れた耳には新鮮!
コンサートモデルの2004年製はダイナミックな響きの中に音の明るさ、ふくらみのエッセンスを感じます。2台の違いが楽しめる反面、「ショパンが~」というコピーには少々疑問も。新旧ピアノの造りが異なるので良い意味で楽器としての本質を評価すべきかもしれませんね。
雑誌「Esquire」2008年3月号付録CDとおそらく同じ音源                          後輩A君より音源提供

■リスト:半音階的大ギャロップS.219 ショパン フランク (ジョルジュ・シフラ)

Georges Cziffra (1921~1994)
使用楽器:ガヴォー Gaveau (フランス)
ハンガリー・ブダペスト出身。1956年にフランスに亡命してパリを中心に活躍。その超絶的な技巧から「リストの再来」とまで謳われたピアノ界のエンターテイナー。有り余るテクニックと俗にシフラ節と呼ばれるアクの強い歌い回しで聴き手に驚きと楽しみを提供してくれます。

古いフィルムですがシフラの妙技が堪能できるDVD。定評あるリストは凄絶!超絶技巧練習曲10番はまだ序の口、ハンガリー狂詩曲6番や〈半音階的大ギャロップ〉では譜面にない和音を盛り込んで爆演を展開します。それに比べるとショパンはしっとり歌い上げる演奏。英雄ポロネーズ、スケルツォ2番等、余裕をもって優雅に弾いています。

1962年パリのライヴでは仏ガヴォー社のコンサートモデル使用。今は消滅したメーカーなので貴重な映像です。録音の影響もあってか内向的な音色、スタインウェイのような派手さは感じません。併録しているフランクの交響的変奏曲(シフラJr指揮による親子共演)ではプレイエルを演奏しています。1961年にプレイエル・ガヴォー社として合併(1971年に倒産)した時代背景を考えると興味深い資料です。
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〈2003〉EMI                         

■シューマン:謝肉祭Op.9 交響的練習曲Op.13 他 (エリック・ハイミ)

Eric Himy
使用楽器:スタイングレーバー Steingraeber&Sohne(ドイツ)
アメリカ・ヨーロッパで主に活動しているピアニスト。国際コンクールでの優勝歴あり。同レーベルによるモーツァルト、リスト、ドビュッシーのレコーディングでもスタイングレーバーのピアノを使用しています。

シューマンの魅力がたっぷり詰まったアルバム。リストがピアノ独奏用に編曲した<献呈Widmung>はとくに楽器の音色と相性が良い感じ。 結婚式前日に愛するクララに捧げたとされるロマンチックなこの曲、昔同僚が身内の結婚式のためこの曲を必死に練習していたなァ。

ドイツ・バイロイトを拠点とする老舗メーカー。明瞭で少し甘いテイストの音色。高音域は硬めでやや刺激的、中音域から低音域にかけては落ち着いた音質に調整されています。低音巻線の雑味が少ないドーンとした伸びのある響きに特徴があります。
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〈2006〉CENTAUR                              

■ムソルグスキー:展覧会の絵 他 (マイケル・ポンティ) 

Michael Ponti (1937~ )
使用楽器:クラヴィンス Klavins (ドイツ) ※非売品
どんな難曲でもガッツリと弾いてのけるヴィルトゥオーゾ系ピアニスト。1964年フェルッチョ・ブゾーニ国際コンクール優勝、同年エリザベート王妃国際コンクール第6位。ドイツ・フライブルク出身。

特筆すべきは高さ3m70cmのアップライト型モンスターピアノ。その巨大さゆえに鍵盤、アクションを2階に設置しています。(画像参照)
この楽器の制作者ディビッド・クラヴィンスは従来のコンサートグランドピアノの弱点を4つ挙げています。ライナーノーツから抜粋すると…
①中低音の弦の長さが理想的な設計よりも短い点
②低音の駒が響板の振動が不十分なエリアに位置している点
③響板を長くすると形状が細くなるため音響的なデメリットがある
④音のベクトルは(響板に)垂直だから聴衆が存分に堪能できない
等、ピアノという楽器が抱える“課題”と“可能性”を提起しています。

規格外の響板面積から生み出されるドスの利いた迫力あるサウンド、純度が高く奥行きの深い低音は聴き応え充分。<展覧会の絵>やリストハンガリー狂詩曲第6番など音響効果を狙ったプログラムです。アップライト式アクションのせいか連打の場面ではやや苦しい感じも。
〈1989〉KLAVINS MUSIC

■ドビュッシー:前奏曲集第1巻 映像第1集 (ジョス・ファン・インマゼール)

Jos van Immerseel (1945~ )
使用楽器:エラール Erard (フランス)